商売は何を売っているのかで稼ぎ方が変わる
世の中いろんな仕事がありますね。
学生に知識を伝える教師や八百屋などのように物品を売る店員、本や記事を執筆して情報を売るライター、肉体に生じた疾患を治療する医師と千差万別で非常に多くの仕事があります。
これらの職業ごとに凡そどの程度の年収になるか判断されています。
年収を上げようとする場合、手段はいくつかあるでしょう。
より給料を出してくれる会社に就職する。
今より稼ぎやすい職に転職する。
他に稼げる仕事を行う。
などいくらかあるかと思います。
これらのうち1番変わると認識しやすいのは稼ぎやすい職に転職することでは無いでしょうか?年収の相場自体が変わりますからね。
しかし、同じ職業でも稼げるところ、稼げないところっていうのもあります。
私が印象深いのは海外で少数の物品が希少であると高値で販売するのと逆に日本で物品が全体に供給されるよう製作しなるべく安価に販売するという2種です。
なぜ同じような製品でそれほど値段を変えて販売し双方売れるのでしょうか?
販売層を変えているというのはあるかもしれませんね。
ただ、これ以上に重要だと考える事があります。
それがそもそも何を売っているかです。
物品販売は物品販売だろ。と言われたらそうなんですが、もっと根本的な話です。
例えば最初に例を挙げた教師と医師は同じものを売っています。いやいや同じなわけないだろっていう言い分も分かるんですが同じなんです。
それはどちらも時間と空間を売っているという事です。
教師は知識を伝達させる空間を生徒に一定時間提供し、医師は身体を治す空間を治療終了まで提供するのです。
こう聞けば同じだと思いませんか?
つまり、空間と時間を提供するのか、あるいはどちらも提供しないのか?
これが稼ぎ方に密接に関係します。
医師を例に話します。
まず空間から。
患者に病気を治療する空間を提供します。外科などの処置になりますと手術を行う空間が必要でそこに他の患者を同時に入れる事はできません。
2番目に時間。
外科処置が終わるまで1人の患者にかかりっきりになるので他の患者は見れません。
このように医師は患者に対して空間と時間を提供する職業です。
次に作家を例にします。
作品を完成させるまではその執筆の時間と空間が必要になりますが、完成後は客に対して時間と空間を提供する必要はありません。
作家はどちらも不要なので同時に何人の客でも持てると言えます。
例に挙げた医師のように時間と空間を提供する職業だと必然的に提供できる限界の時間があります。
時間と空間の提供が必要ない職の場合、客を増やせば増やすだけ稼げますが、時間と空間が必要な場合は限界が出て来ます。
例えば病院で売り上げを上げろと上司が部下に命令しました。その中で曜日ごとに勤務日を分けている中、同じ曜日に医師が大勢同じ曜日に勤務日が固まってしまうと医師が提供できる時間は増えても提供できる診療台が足りないという結果になります。
この場合、勤務日が重なっているところでどれだけ売り上げを上げようと努力しても限界があり、患者を入れられなかった医師は人件費だけが消費され病院には赤字にしかなりません。
では解決手段は何があるのか?
勤務日をもっと分散させればいい。
つまり、今回のケースで部下が売り上げを上げるより上司が勤務日を変更させるよう動けばそれだけで赤字は減る。売り上げを上げる機会も得られる。
逆に作家などの場合は、時間も空間も提供する必要がありませんので、客が求める製品を販売し、より多くの客に製品がある事を知らせばいい。
このように販売するものによって稼げる限界値が存在します。
あとは付加価値を提供する事で値段を上げていく感じですね。
売り上げを上げたい時にやり方がそもそも不可能かどうか、これを考えるのは重要です。