企業主体から個人主体へ
最近、産業の形態が変化してきたのでは?と思っています。とはいえ大きい変化ではありません。些細な変化だとは思います。
kindle読んだりされていますか?
あれ便利なんですけど執筆者側にも便利な側面があります。出版って自費出版と企画出版の2種類があります。そのうち、企画出版って企業にこの作品ならいけると判断してもらえた作品だけが本として出版してもらえる訳です。
一方、自費出版は文字通り、出版までにかかる費用を執筆者が出して製本するわけです。同人誌とかイメージしてもらえばわかりやすいでしょうか?
さて、kindleで何が執筆者に便利かという話ですが、執筆者が電子書籍として本を販売できるんですよね。
つまるところ自費出版になるわけですが、一般的な自費出版とは違う点があります。そう、出版の費用が掛からないんです。
今までだと製本してもらうための費用がかかり、売れなかった時のリスクが大きい形態でしたが、この電子書籍での出版という方式によって執筆者がローコストで作品を世に出せるようになりました。
もちろん、紙で書かれた本には紙特有の魅力があると思います。私も紙媒体の方が欲しいと感じることも多いですし。しかし、電子書籍は場所を取らないし、いろんなデバイスで見ることができるので読者も敷居が低いという利点があります。
企画出版と違う点として大々的な宣伝がないという事が挙げられるかもしれませんが、現代にはSNSがあります。企業の宣伝がなくとも個人で自身の作品を喧伝できるわけです。
こういった細かな技術の積み重ねによって産業を始める敷居が低くなったと思います。
一方でこういう出版に関して思うところがあります。
それは昔の作品より遥かに誤字脱字の量が多いのではないか?というものです。個人出版での作品を見ていると誤字脱字が偶に見つかる印象です。
もちろん几帳面な方は独自にネットサービスで校正をかけたりされていると思います。
しかし、校正をかけるかかけないかを決めるのは出版側です。つまり個人出版ですとその手間をかけるかどうかが個人の意思で左右される側面がどうしても生じます。
こういった作品のある種、質の低下と言える現象が見られるようになったと感じているわけです。
これは産業の変化に繋がっているとも言えます。それは質より量を求めた結果であり、同時に企業主体ではなく個人産業主体への変化と言えるのではないでしょうか?
私は質を求めた方が結果的に消費者もついてくると思いますし、上記のような誤字脱字はしっかりチェックした方が良いと思います。しかし、それらにコストが費やされれば費やされる程に個人参入の障壁は高くなるのも事実です。
今は個人が参入しやすい形態に変化している弊害が生じている時期なのでしょう。
今後はAIなどの更なる発展によって個人の製品に見られる瑕疵を指摘してくれる技術が発展して個人産業の質が上がってくるのではないか?と期待したいところです。
ただ、現状はまだ個人の製品にある瑕疵は製作者が確認する必要があります。製品を出されている方は販売前に一度確認するシステムを構築されては如何でしょうか?